2014/01/26

2014 2・11反「紀元節」行動へのよびかけ

2・11反「紀元節」行動へのよびかけ

 昨年一二月二六日、安倍首相は突如として靖国神社を参拝した。アジア諸国のみならず、アメリカからも懸念を示されていたにも関わらず、自分の「気持ち」だけで突っ走る安倍の姿は、民主主義を無視する独裁的な政治手法と対応している。


 安倍は、「平和のために参拝した」などと述べたが、いうまでもなく靖国神社は、天皇のための死者、侵略戦争の戦死者を「英霊」として祀る神社である。その歴史観はこれらの戦争を「アジア解放戦争」「聖戦」として賛美するものである。そうした神社に参拝することが、A級戦犯合祀問題を含めて、侵略戦争と植民地支配の歴史総体を肯定し、東京裁判の否定を意味することは明らかだ。


 さらに、靖国参拝は国家の宗教との関わりを禁じた憲法の政教分離規定(二〇条)に反する行為である。それは違憲行為を積み重ね、実質的に憲法を破壊していくことで改憲につなげていこうとする、安倍の「壊憲」攻撃の一環である。
 今回の靖国参拝は、仲井真沖縄県知事に対して辺野古基地容認を呑ませる見込みがついた翌日になされた。辺野古と引き替えに、アメリカからの批判を回避しうると判断したのだ。それはアメリカの「失望」表明で夢想に終わったが、ここに安倍政権の歴史認識と、沖縄への抜きがたい植民地主義が示されている。
 安倍政権がすすめる「戦争ができる国」づくりは、まさしく全社会的な分野での攻撃として進められている。


 秘密保護法・日本版NSC設置を強行し、同時に新防衛大綱と中期防衛力整備計画(中期防)もあわせて決定して日米同盟の一層の強化と対中国シフトとしての「離島防衛」に踏み込み、「愛国心」を盛り込んだ「国家安全保障戦略」も決定するなど、集団的自衛権を解禁し、海外における武力行使への道を突き進む安倍政権は、それこそが「積極的平和主義」なのだと言いつのる。本来、非軍事的な手段で、民衆の貧困や抑圧・差別を克服し、地域の平和構築をめざす理念としてあったはずの「積極的平和」の理念を換骨奪胎し、戦争国家化を正当化する手段としているのだ。


 「戦争をする国家」において、その戦争によって生み出される死者の死を、国家が意味づけ賛美していくことは必須である。だからこそ、戦争の死者を追悼する中心施設がどのようなものであるべきかという議論が、靖国問題をめぐって繰り返し浮上せざるを得ない。安倍は一月初めの友人との会食でも、死者の魂は靖国にあると述べて、新たな「無宗教の追悼施設」に対しても否定的な態度を示した。われわれは、靖国神社であれ、新たな追悼施設であれ、戦争国家が生みだす死者を、国家が顕彰するための施設に反対する。


 こうしたなかで今年も2・11反「紀元節」行動に取り組むべく、私たちは準備を始めている。「復古」的天皇主義と、強権的な国家主義を露骨に推進し、民衆の自由や生存権を踏みにじり、東アジアに緊張を創り出し、沖縄を新たな戦争の前線としてあらためて位置づけなおす戦争国家への道を進む安倍政権と対決していく運動を作りだそう。ぜひ、参加・賛同を!